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建設業許可の取得期間は何ヶ月?知事許可・大臣許可別の目安と遅れる理由【行政書士】

2026年3月12日
16分で読めます
行政書士 伊敷 紀巳雄
建設業許可の取得期間は何ヶ月?知事許可・大臣許可別の目安と遅れる理由【行政書士】

# 建設業許可の取得期間は何ヶ月?知事許可・大臣許可別の目安と遅れる理由【行政書士】

建設業許可の取得まで、おおむね何ヶ月かかるか

建設業許可の取得には、書類の準備期間と、行政が公表する標準処理期間(後述のとおり管轄ごとに定義・日数が異なります)を踏まえた計画の両方がかかります。実務上、「申請を窓口に提出してから許可の通知書が届くまで」だけでなく、「準備を始めてから許可取得まで」を合わせた全体で何ヶ月見ておくかが重要です。

本記事では、知事許可と大臣許可の違い、取得期間の目安、スケジュールが延びる主な要因を、行政書士の視点で整理します。入札や請負開始の時期を見据えて、いつから動き出すべきかの参考にしてください。

※本記事は2026年3月時点の一般的な運用に基づいています。標準処理期間等は管轄の国土交通省関係機関または都道府県の案内で最新情報をご確認ください。

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知事許可と大臣許可で「何ヶ月」が違う理由

建設業許可は、営業所の所在によって都道府県知事許可国土交通大臣許可に分かれます(建設業法第3条)。工事を施工する場所(施工区域)ではなく、営業所がどの都道府県にあるかで区分が決まります。国交省の説明でも、許可の区分は営業所の所在により定まり、施工区域に制限はないとされています。そのため、「工事が府外なら大臣許可か」という理解は誤りです。1つの都道府県内にのみ営業所がある場合は知事許可、2以上の都道府県に営業所がある場合は大臣許可です。

申請先が異なるうえ、標準処理期間管轄ごとに定義・日数が異なります。全国一律の「知事1~2か月/大臣3~4か月」のような相場で書くことはできません。例として、大阪府知事許可では「申請書を受け付けた日から、許可の通知書を発送するまで30日(土日祝含む。年末年始・大型連休を除く)」、近畿地方整備局の大臣許可では「概ね90日程度(補正に要する期間は含まない)」といった案内があります。ご自身の管轄が公表している標準処理期間の定義と日数を、必ず窓口または公式サイトで確認してください。 これに準備期間を足したものが、全体の取得期間を計画するうえでの目安になります。

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取得までの流れと各段階の目安期間

ステップ1:要件確認と書類の準備(おおむね1~2か月)

  • **適正に建設業に係る経営業務を行うことができる体制**(常勤役員等。いわゆる旧・経営業務の管理責任者)および**営業所技術者等**(旧・専任技術者)の要件を満たしているか確認する。
  • 財産要件(資本金・出資金または純資産、残高証明等)の書類を用意する。
  • 欠格事由に該当しないことの確認、誓約書等の準備。
  • その他、許可申請書・経歴書・役員の証明書類など、管轄が公表している必要書類を揃える。

書類の収集に時間がかかること(納税証明書の取得、営業所技術者等の経歴証明など)や、不備が出てから追加で取り寄せることもあるため、余裕を見て1~2か月を想定しておくと安心です。実務上、ここが遅れて全体の取得時期がずれ込むケースが多く見られます。

ステップ2:申請書の作成・提出

  • 申請書類に不備や矛盾がないか確認したうえで、管轄の窓口(都道府県庁または国土交通省地方整備局等)に提出する。
  • 電子申請(JCIP等)を利用する場合も、入力内容の正確性と必要添付の確認が重要です。

ステップ3:申請から許可の通知まで(標準処理期間の目安)

「審査期間」と「標準処理期間」は同義ではありません。 行政が公表する標準処理期間は、管轄ごとに何から何までを数えるかが異なります。例えば、受付日から許可の通知書を発送するまでを日数で示す管轄もあれば、申請から許可等の処分までを示し、補正に要する期間は含まないと明記している管轄もあります。そのため、読者がイメージする「実際に手元に届くまでの体感日数」と、公表されている標準処理期間は一致しないことがあります。取得まで何ヶ月かは、ご自身の管轄の標準処理期間の定義を確認したうえで判断してください。

審査中に照会や補正の依頼があると、回答・提出までの日数だけ実際の日数は延びます(補正期間を標準処理期間に含めない管轄では、その分が上乗せされます)。

ステップ4:許可の通知書の受領

許可となった場合、許可の通知書(許可通知書)が発送され、軽微な建設工事を除き、許可が必要な範囲の建設業を営むことが可能になります。建設業許可証明書は別途交付される場合があり、管轄の案内に従ってください。

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全体で「何ヶ月」と見るか:標準処理期間と実務上の計画の分離

行政が公表する標準処理期間は管轄ごとに異なります。上記のとおり、大阪府知事許可では受付から許可の通知書発送まで30日(一定の休日を除く)、近畿地方整備局の大臣許可では申請から許可等処分まで概ね90日(補正期間は含まない)といった案内があります。ご自身の管轄の案内で、標準処理期間の定義と日数を必ず確認してください。

イメージ内容
準備期間の目安要件確認・書類収集に**おおむね1~2か月**を見込むことが多い
標準処理期間**管轄ごとに異なる**(例:30日/概ね90日等)。定義も「受付~通知書発送」か「申請~処分(補正除く)」か等、管轄により異なる
実際にかかる日数補正・照会対応で延びる。繁忙期等の影響も管轄によりあり得る

実務上の着手時期については、標準処理期間そのものとは区別して考えた方が安全です。要件確認・証明書の収集・補正対応・繁忙期による遅れを織り込むと、「いつまでに許可が必要か」から逆算して、余裕を持って半年前後から動き始めるという計画は、一つの目安になります。これは行政の処理期間の説明ではなく、安全に逆算した実務上の推奨です。

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取得期間が延びる主な要因

  • **書類不備・照会対応**

提出後に不備の指摘や照会があり、追加書類の取り寄せや説明に時間がかかる。

  • **営業所技術者等(旧・専任技術者)・常勤役員等(旧・経営業務の管理責任者)の証明に時間がかかる**

実務経験の証明が複数機関にまたがる場合など、取得に日数を要することがある。

  • **財産要件の書類**

残高証明の取得タイミング、決算期との関係で、準備が遅れることがある。

  • **申請の集中**

年度末や繁忙期は審査が長引くことがある(管轄により異なります)。

事前に必要書類リストと作成要領を確認し、可能なものから早めに準備することで、全体の取得期間を短縮しやすくなります。

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よくある質問(FAQ)

Q. 知事許可と大臣許可、どちらに申請するかはどう決まりますか?

A. 営業所の所在で決まります。1つの都道府県内にのみ営業所がある場合は知事許可、2以上の都道府県に営業所がある場合は大臣許可です。工事をする場所(施工区域)が府外だから大臣許可、というわけではありません。建設業法第3条および施行規則で定められており、国交省も区分は営業所の所在によること、施工区域に制限はないと説明しています。

Q. 標準処理期間は申請先(管轄)によって違いますか?

A. はい。管轄ごとに標準処理期間の定義(例:受付日から許可の通知書発送まで/申請から許可等処分まで、補正期間を含むか等)と日数が異なります。知事許可・大臣許可のいずれも、ご自身の管轄の案内で確認してください。

Q. 期間を短くするにはどうすればよいですか?

A. 必要書類を早めに把握し、営業所技術者等・常勤役員等の証明や財産要件の書類を計画的に準備することです。行政書士に書類作成・代理申請を依頼することで、準備の負担を減らし、不備を防いで期間短縮につなげるケースも多くあります(建設業許可では「代理申請」の取扱いとする管轄が一般的です)。

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まとめとご相談のご案内(CTA)

建設業許可の取得までにかかる日数は、管轄ごとに公表されている標準処理期間(定義・日数とも管轄により異なります)と、準備期間の両方を見込んで計画する必要があります。全国一律の「知事○か月/大臣○か月」ではなく、ご自身の管轄の案内で標準処理期間を確認してください。書類不備・補正対応で実際の日数が延びることもあるため、「いつまでに許可が必要か」から逆算し、標準処理期間と準備・補正を織り込んだ実務上の着手時期を早めに設定することが重要です。

行政書士ARISEリーガルオフィスでは、建設業許可の新規取得のご相談を承っています。取得までの流れや必要書類の整理、申請書の作成サポートなど、ご希望に応じて対応いたします。

お問い合わせフォームから、許可の種類(知事・大臣)と希望の取得時期をお知らせいただければ、必要なスケジュールの目安をご案内します。

※本記事は一般的な解説であり、標準処理期間の定義・日数は管轄・時期により異なります。最新の標準処理期間は管轄窓口または公式サイトでご確認ください。

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