建設業界は今、大きな変革期を迎えています。2024年問題、デジタル化の波、そして法改正の動き。これらの変化は、建設業許可制度にも大きな影響を与えることが予想されます。
本記事では、2025年以降の建設業許可制度の展望と、今から準備すべきことについて、行政書士の視点から詳しく解説します。
2024年問題と働き方改革の影響
2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されました。これは建設業許可制度にも影響を与えています。
主な影響
- 常勤役員等(経営業務管理責任者)の常勤性の確認が厳格化
- 営業所技術者(専任技術者)の専任性の証明方法の見直し
- 社会保険加入状況のチェック強化
- 適正な労働時間管理の証明が必要に
対応策
建設業許可を維持するためには、適切な労働時間管理と社会保険加入が不可欠です。タイムカードや勤怠管理システムの導入を検討しましょう。
建設DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速
国土交通省は、建設業のデジタル化を強力に推進しています。
デジタル化の主な動き
- BIM/CIMの活用拡大
- i-Constructionの推進
- 電子契約の普及
- クラウド型工事管理システムの導入
- ドローンやAIの活用
許可制度への影響
デジタル技術を活用できる技術者の評価が高まる可能性があります。営業所技術者(専任技術者)の要件に、デジタル技術の知識が加わる可能性も検討されています。
電子申請の義務化に向けた動き
建設業許可の電子申請は、現在は任意ですが、将来的には義務化される方向で検討が進んでいます。
電子申請のメリット
- 申請手続きの簡素化
- 書類作成の効率化
- 審査期間の短縮
- 郵送費用の削減
- 24時間いつでも申請可能
準備すべきこと
- 電子証明書の取得
- 電子申請システムの操作習得
- 電子データでの書類管理体制の構築
- 行政書士など専門家との連携
CCUS(建設キャリアアップシステム)の本格運用
CCUSは、技能者の資格や現場経験を蓄積するシステムです。
CCUSと許可制度の連携
- 営業所技術者(専任技術者)の実務経験証明にCCUSデータを活用
- 技能者の評価制度との連動
- 公共工事での加点評価
- 社会保険加入状況の確認
事業者が準備すべきこと
- CCUSへの事業者登録
- 技能者のカード取得支援
- 現場でのカードリーダー設置
- データ管理体制の整備
技術者不足対策
検討されている変更点
- 営業所技術者(専任技術者)の兼任要件の緩和
- 実務経験の認定範囲の拡大
- 資格要件の見直し
- 外国人技術者の活用促進
若手技術者の育成
技術者不足に対応するため、若手技術者の育成が重要です。実務経験を積める環境づくりと、資格取得支援が求められます。
事業承継支援
現状
建設業の経営者の高齢化が進み、事業承継が大きな課題となっています。
対策
- 事前認可制度の活用
- 事業承継時の許可承継制度の活用
- M&Aによる許可承継の円滑化
- 後継者育成期間の考慮
早めの準備が重要
事業承継には時間がかかります。後継者の育成、常勤役員等(経営業務管理責任者)としての経験蓄積など、計画的な準備が必要です。
社会保険加入の徹底
社会保険未加入問題への対応は、今後さらに厳格化される見込みです。
強化される取り組み
- 許可申請時の加入状況確認の厳格化
- 更新時の加入状況チェック
- 未加入業者への指導強化
- 公共工事からの排除
完全加入への準備
社会保険への完全加入は、建設業許可を維持するための必須条件となります。未加入の場合は、早急に加入手続きを進めましょう。
環境対策と許可制度
カーボンニュートラルへの対応など、環境対策も建設業の重要課題です。
今後の動向
- 環境配慮型工事の評価
- 省エネ技術を持つ技術者の優遇
- 環境関連資格の評価
- グリーン調達の推進
事業者の対応
環境関連の資格取得や、環境配慮型工事の実績づくりが、今後の競争力につながります。
2025年以降の予測と準備すべきこと
短期的な変化(2025-2027年)
- 電子申請の本格普及
- CCUSの義務化拡大
- 社会保険加入の完全義務化
- 働き方改革の定着
中長期的な変化(2028年以降)
- AI・ロボット技術者の評価
- 国際的な技術者資格の相互認証
- 許可区分の見直し
- デジタル技術を活用した審査の効率化
今から準備すべきこと
- 電子申請システムへの対応
- CCUSへの登録と活用
- 社会保険の完全加入
- 若手技術者の育成
- デジタル技術の導入
- 事業承継計画の策定
- 環境対策への取り組み
- 適正な労働時間管理
まとめ
建設業許可制度は、社会の変化に合わせて進化し続けています。2025年以降も、デジタル化、働き方改革、環境対策など、様々な変化が予想されます。
これらの変化に対応するためには、早めの準備と継続的な取り組みが重要です。特に、電子申請への対応、CCUS登録、社会保険加入の手続きは、早急に進めるべき課題です。
変化を恐れず、むしろチャンスと捉えて、積極的に対応していきましょう。不明な点や準備に不安がある場合は、建設業許可に詳しい行政書士にご相談ください。
大阪で建設業許可の将来展望や法改正対応についてお困りの方は、行政書士ARISEリーガルオフィスまでお気軽にご相談ください。最新の情報に基づいた適切なアドバイスをいたします。
