# 【行政書士が解説】建設業許可の更新手続き|期限切れで許可が消滅する前にやるべき4つのこと
建設業許可の有効期間は5年です。更新を忘れると許可は消滅し、新規申請からやり直しになります。手数料9万円の再負担、審査期間中の工事制限、許可番号の変更――いずれも事業に大きな影響を及ぼします。
この記事では、建設業許可の更新で失敗しないために押さえておくべき4つのポイントを、行政書士の実務経験をもとに解説します。
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この記事で分かること
- 建設業許可の有効期間と更新申請の期限
- 更新の手数料と必要書類
- 更新前に必ず済ませておくべき届出
- 期限切れになった場合の対処法
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建設業許可の有効期間と更新の期限
建設業許可の有効期間は、許可のあった日から5年目の対応する日の前日までです(建設業法第3条第3項)。
例えば、令和4年(2022年)7月15日に許可を受けた場合、有効期間は令和9年(2027年)7月14日までとなります。
更新申請の期限
更新申請は、有効期間の満了日の30日前までに行う必要があります(建設業法第3条第4項)。上の例では、令和9年6月14日までに申請書を提出しなければなりません。
なお、30日前までに申請していれば、審査中に有効期間が満了しても、許可の効力は審査結果が出るまで継続します。逆に、30日前を過ぎてしまうと大阪府ではJCIP電子申請が利用できなくなり、窓口申請のみとなります。
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やるべきこと1:決算変更届が5年分すべて提出済みか確認する
更新申請が受理されるための最大の前提条件は、5年分の決算変更届がすべて提出されていることです。
1年でも未提出があると、更新申請は受理されません。更新期限が迫ってから未提出に気づくと、決算変更届の作成と更新申請を同時に進めなければならず、時間的にも費用的にも大きな負担になります。
> 実務ではこういう相談が多い
>
> 『更新の半年前に問い合わせたら、3年分の決算変更届が未提出だった』というケースは珍しくありません。過去の決算書や工事実績を遡って整理する作業は想像以上に時間がかかります。許可取得後は、毎年の決算変更届を欠かさず提出する習慣をつけてください。更新時の最大のトラブル要因はこの未提出問題です。
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やるべきこと2:役員変更届・重任登記が済んでいるか確認する
法人の場合、許可要件に関わる以下の変更届が提出済みである必要があります。
- **経営業務の管理責任者(経管)**の変更 → 変更後2週間以内に届出
- **営業所技術者(旧:専任技術者)**の変更 → 変更後2週間以内に届出
- **役員の就任・退任・重任** → 変更後30日以内に届出
特に見落とされがちなのが役員の重任登記です。取締役の任期が満了し再任(重任)された場合、法務局への重任登記が必要です。登記簿に重任の記載がないと、大阪府では更新申請が受理されません。
> 実務ではこういう相談が多い
>
> 『役員は変わっていないから届出は不要では?』と思われがちですが、同じ人が再任された場合でも『重任』として登記と届出が必要です。5年間の中で役員の任期満了が到来していないか、登記簿謄本を取得して必ず確認してください。
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やるべきこと3:必要書類と手数料を準備する
更新手数料
| 許可の種類 | 手数料 |
|---|---|
| 知事許可 | 5万円 |
| 大臣許可 | 5万円 |
※一般・特定の両方を同時に更新する場合は、それぞれ5万円(合計10万円)が必要です。
主な必要書類(大阪府知事許可の場合)
- 建設業許可申請書(様式第1号)+別紙一・別紙二(2)
- 工事経歴書(様式第2号)
- 直前3年の工事施工金額(様式第3号)
- 誓約書(様式第6号)
- 常勤役員等・営業所技術者の証明書類
- 財務諸表一式
- 納税証明書(事業税)
- 登記事項証明書(法人)
- 定款(変更がある場合)
正本・副本の2部を提出します。大阪府では令和7年6月2日からJCIP電子申請にも対応しています。
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やるべきこと4:更新スケジュールを逆算して管理する
更新を確実に行うために、以下のスケジュールで準備を進めてください。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 満了日の**6か月前** | 決算変更届の提出状況を確認。未提出があれば直ちに対応 |
| 満了日の**3か月前** | 必要書類の収集・作成を開始。登記簿の確認、納税証明書の取得 |
| 満了日の**2か月前** | 申請書類の最終チェック。行政書士に依頼する場合はこの時期まで |
| 満了日の**30日前まで** | 更新申請書を提出(この日を過ぎると窓口申請のみ) |
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期限切れになった場合|許可は消滅し新規からやり直し
有効期間内に更新申請をしなかった場合、許可は自動的に消滅します。復活の手続きはなく、改めて新規申請を行う必要があります。
新規申請の場合、以下のデメリットが生じます。
- 手数料が5万円(更新)→ **9万円(新規)**に増加
- **許可番号が変わる**(取引先への通知が必要)
- 審査期間中(通常1〜2か月)は500万円以上の工事を受注できない
- 経営事項審査(経審)の結果も**リセット**される
> 実務ではこういう相談が多い
>
> 期限切れに気づくのは、元請から『許可証の写しを出してほしい』と言われたときが多いです。その時点で許可が切れていると、元請との取引に即座に影響が出ます。許可証に記載された有効期限を、会社のカレンダーや管理システムに必ず登録しておいてください。
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まとめ
確認すべきチェックリスト:
- 許可の有効期間満了日を把握しているか
- 5年分の決算変更届がすべて提出済みか
- 役員の重任登記と変更届は済んでいるか
- 営業所技術者(旧:専任技術者)に変更はないか
- 満了日の30日前までに申請できるスケジュールか
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建設業許可の更新手続きや、決算変更届の提出代行のご相談は、行政書士ARISEリーガルオフィスまでお気軽にどうぞ。
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