管工事業とは
管工事業は、冷暖房、空調、給排水、衛生等のための設備を設置し、または金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事を行う業種です。
【大阪府での実務経験から】管工事業の特徴
当事務所では、大阪府内の管工事業者様から年間多数のご相談をいただいています。管工事業は建設業の中でも専門性が高く、建築設備の重要な部分を担う業種です。
相談事例:大阪市内の設備工事会社A社様
A社様は、給排水設備工事を中心に営業していましたが、空調設備工事の案件も増えてきました。管工事業の許可を取得することで、受注の幅が大きく広がりました。
管工事の具体例
主な工事内容
- **冷暖房設備工事**:エアコン、ボイラー、暖房設備の設置
- **冷凍冷蔵設備工事**:冷凍・冷蔵設備の配管工事
- **空気調和設備工事**:空調ダクト、換気設備の設置
- **給排水・給湯設備工事**:上下水道配管、給湯設備の設置
- **厨房設備工事**:業務用厨房の配管設備
- **衛生設備工事**:トイレ、洗面所等の衛生設備
- **浄化槽工事**:浄化槽の設置工事
- **水洗便所設備工事**:水洗トイレの設置
- **ガス管配管工事**:都市ガス、LPガスの配管
- **ダクト工事**:空調用ダクトの設置
配管工事の範囲
管工事業で扱う配管は多岐にわたります:
- 給水管・排水管
- 給湯管
- ガス管
- 空調用配管
- 冷媒配管
- 蒸気管
- 油配管
営業所技術者(専任技術者)の要件
資格による場合
一般建設業許可
- **一級管工事施工管理技士**:最も一般的な資格
- **二級管工事施工管理技士**:一般建設業のみ
- **給水装置工事主任技術者**:実務経験1年以上が必要
- **配管技能士(1級・2級)**:実務経験が必要な場合あり
- **建築設備士**:建築設備の専門資格
特定建設業許可
- **一級管工事施工管理技士**
- **技術士(機械部門)**
実務経験による場合
一般建設業許可
- **指定学科卒業者**:
- 高校卒業後5年以上の実務経験
- 大学・高専卒業後3年以上の実務経験
- **指定学科以外**:10年以上の実務経験
特定建設業許可
- 指導監督的実務経験2年以上を含む実務経験
指定学科
管工事業の指定学科には以下が含まれます:
- 機械工学科
- 設備工学科
- 建築設備科
- 空調設備科
関連する他の業種との違い
管工事業と水道施設工事業の違い
| 項目 | 管工事業 | 水道施設工事業 |
|---|---|---|
| **工事範囲** | 建物内の給排水設備 | 上水道・下水道の本管工事 |
| **主な工事** | 建築設備の配管 | 公共の水道施設 |
| **発注者** | 建物所有者、建設会社 | 自治体、水道局 |
| **工事規模** | 建物単位 | 地域・都市単位 |
具体例
- 管工事業:マンションの給排水配管工事
- 水道施設工事業:市街地の上下水道本管敷設工事
管工事業と消防施設工事業の違い
| 項目 | 管工事業 | 消防施設工事業 |
|---|---|---|
| **工事範囲** | 一般的な配管工事 | 消防用設備の工事 |
| **主な工事** | 給排水、空調配管 | スプリンクラー、消火栓 |
| **規制** | 建築基準法等 | 消防法 |
| **検査** | 建築確認検査 | 消防設備検査 |
具体例
- 管工事業:ビルの空調配管工事
- 消防施設工事業:スプリンクラー設備の設置工事
管工事業と機械器具設置工事業の違い
| 項目 | 管工事業 | 機械器具設置工事業 |
|---|---|---|
| **工事範囲** | 配管設備の設置 | 機械器具の設置 |
| **主な工事** | 配管、ダクト工事 | プラント設備、産業機械 |
| **対象** | 建築設備 | 生産設備、工場設備 |
【大阪府での実際の相談事例】
事例1:大阪市内の設備工事会社U社様
相談時の状況
- 給排水設備工事を中心に営業
- 空調設備工事の案件が増加
- 500万円以上の工事を受注したい
当事務所の対応
- 管工事業の許可取得を提案
- 一級管工事施工管理技士の資格保有者を確認
- 財産要件(自己資本500万円以上)を確認
- 新規申請を実施
結果
無事に管工事業の許可を取得し、受注の幅が広がりました。空調設備工事の大型案件も受注できるようになりました。
事例2:堺市の設備会社V社様
相談時の状況
- 給水装置工事主任技術者の資格保有者がいる
- しかし、実務経験が1年未満
問題点
- 給水装置工事主任技術者は実務経験1年以上が必要
- 営業所技術者(専任技術者)の要件を満たさない
当事務所の対応
- 実務経験が1年以上になるまで待つことを提案
- または、他の資格(二級管工事施工管理技士等)の取得を検討
- 実務経験1年経過後、申請を実施
結果
実務経験1年経過後、無事に許可を取得できました。
事例3:豊中市の空調設備会社W社様
相談時の状況
- 空調設備工事を専門に営業
- 配管技能士2級の資格保有者がいる
- 実務経験3年
当事務所の対応
- 配管技能士2級 + 実務経験3年で営業所技術者(専任技術者)として認められることを確認
- 実務経験の証明書類(工事契約書、請求書等)を準備
- 新規申請を実施
結果
無事に許可を取得し、大型の空調設備工事も受注できるようになりました。
管工事業許可取得のポイント
1. 営業所技術者(専任技術者)の確保
管工事業の営業所技術者(専任技術者)として認められる資格:
- **最も一般的**:一級・二級管工事施工管理技士
- **実務経験1年以上必要**:給水装置工事主任技術者
- **実務経験が必要な場合あり**:配管技能士
2. 実務経験の証明
資格がない場合、10年以上(指定学科卒業者は3〜5年以上)の実務経験が必要です。
証明に必要な書類
- 工事経歴書(10年分)
- 契約書・注文書
- 請求書・領収書
- 確定申告書(個人事業主の場合)
3. 財産要件
一般建設業の場合:
- 自己資本500万円以上、または
- 500万円以上の資金調達能力
特定建設業の場合:
- 資本金2,000万円以上
- 自己資本4,000万円以上
- 流動比率75%以上
- 欠損額が資本金の20%を超えないこと
よくある質問
Q1. エアコン設置工事は管工事業ですか?
A. 家庭用エアコンの設置は軽微な工事に該当することが多いですが、業務用空調設備の設置は管工事業に該当します。
Q2. 給水装置工事主任技術者だけで許可は取れますか?
A. 給水装置工事主任技術者は、1年以上の実務経験があれば営業所技術者(専任技術者)になれます。
Q3. 管工事業と水道施設工事業の両方が必要ですか?
A. 建物内の給排水設備工事のみであれば管工事業で十分です。上下水道の本管工事を行う場合は水道施設工事業も必要です。
Q4. ガス配管工事は管工事業ですか?
A. はい、ガス配管工事は管工事業に該当します。ただし、ガス事業法に基づく資格も別途必要な場合があります。
Q5. 配管技能士の資格で営業所技術者(専任技術者)になれますか?
A. 配管技能士1級は資格のみで認められる場合があります。2級は実務経験が必要です。詳しくはご相談ください。
管工事業の将来性
需要の増加
- 建物の高機能化に伴う設備工事の増加
- 省エネ設備への更新需要
- 老朽化した配管設備の更新需要
- 感染症対策としての換気設備の需要
技術の進化
- BIM(Building Information Modeling)の活用
- IoT技術を活用したスマート設備
- 省エネ・環境配慮型設備の普及
- 3D配管設計の導入
求められる技術者像
- デジタル技術を活用できる技術者
- 省エネ・環境技術に精通した技術者
- 総合的な設備設計ができる技術者
まとめ
- 管工事業は配管設備の設置工事が対象
- 給排水、空調、ガス配管など幅広い工事が含まれる
- 営業所技術者(専任技術者)には管工事施工管理技士が最適
- 給水装置工事主任技術者は実務経験1年以上で認められる
- 水道施設工事業、消防施設工事業との区別に注意
- 将来性のある業種で、技術の進化が続いている
管工事業の建設業許可取得は、専門性の高い分野です。営業所技術者(専任技術者)の要件確認、実務経験の証明、他業種との区別など、専門的な知識が必要です。
大阪で管工事業の建設業許可取得をお考えの方は、行政書士ARISEリーガルオフィスまでお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。管工事業に精通した行政書士が、許可取得を全面的にサポートいたします。